――具体的にどんなお仕事をしているんですか？

　670年の歴史を持つ八丁味噌屋さんなど老舗企業をはじめ、常滑の老舗タイルメーカーさん、栃木・日光の和菓子屋さん、新潟・魚沼の米農家さん、アメリカオレゴン州に本社を構える世界的ブランドの日本国内展開企業のブランディング。愛知のきしめんを世界に発信するプロジェクト。鈴鹿サーキットのレストランから地域の町工場・解体屋さんまで…そこに業種の垣根はなく、お手伝いさせていただいております。また、行政主導の地域ブランディングのプロデュースや、地域の伝統工芸の職人さんたちのプロデュース、JAPANブランドを取得したプロジェクトや道の駅のプロデュースも行っています。

　また、同時に多くの仲間に支えられており、例えば店舗・空間デザインでは、建築デザイナーの神谷利徳さん、レシピ開発ではテレビなどで活躍中のシェ・シバタの柴田武さん、産業フードプロデューサーの中村新さんなど、様々なジャンルの第一線で活躍する人たちとの繋がりを持たせていただくことで、仕事の幅も広がっています。

　「大企業でもないのにブランディングなんて」と思われる方も多いかもしれませんが、僕は中小企業だからこそできるブランディングがあると考えます。「ブランドとは消費者と約束の証」今ここに企業が存在する理由、消費者に約束し選ばれている理由があります。それは、約束する相手（ペルソナ）の設定、企業の強みや物語を伝えるためのブランドプロミスの作成、社員全員が会社を100字で、強みを75字で3つにまとめ説明できることなどです。企業様が抱えている問題を明確にし、打開策を提案させていただく、そんなお手伝いをさせていただいております。新しいモノを作るだけではなく、企業の本質にある魅力を見つけ出し発信し続けることを行なっています。

　僕がやるのは実践に基づいたブランディングばかりです。デザイン学校を出た訳でもなく、デザイン業に就いて修行した訳でもありません。現場で体験し、失敗し、学んできました。だからこそ、お客様から「経験からの叩き上げだから、説得力がある」というお言葉もいただいています。

――ラジオパーソナリティや本の執筆、講演・講義と、活動は多岐に渡っています。

　2009年4月から3年間、FM AICHIの番組「RISTYLE SHOP」にて、パーソナリティを務めさせていただきました。それ以外にも東海地方のカッコいい大人を作る雑誌「FOLT」の編集企画のお手伝いをさせていただいています。また、サムライ日本プロジェクトの軌跡をまとめた「地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方（ダイヤモンド社）」、独自のブランド理論をまとめた「小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル（アスペクト）」を出版。そして、中小企業のブランド術を映像で伝えたいと、「安藤竜二診療所DVD（名古屋テレビ映像）」を出版。独自のブランド理論を実践的に学べるようにテキスト化「安藤竜二ブランドテキスト（スモールサン出版）」また現在、年間で60回程度、経済産業省や日本商工会議所、大学や勉強会組織など全国各地で講演・講義をやらせていただいています。

――今後の展開をお聞かせ下さい。

　近頃、中小企業の社長様とお話させていただく中で、社長様の抱える悩みの答えは会社の歴史の中にあるのではないか？身近にある「いいもの」が見えていないのではないか？など、第三者の目線で見ることで、有効なアドバイスをさせていただけることが多々ありました。僕が会社に訪問して社長様とお話させていただき、企業の魅力・課題を客観的に発見し、そして社長様も商品と考え、社長様自身が企業の歴史・魅力を発信するための「社長の自叙伝」（A3サイズのインタビュー記事）等を制作します。こちらは自叙伝NETとしてネット展開もしています。完成品は僕自身も普段から持ち歩いて、人と人を繋げるツールとして、また自分自身や自社を発信するツールとして使っています。また社員様を巻き込んだ会議形式で行なう「夢を語る会議」では、社員様を巻き込み自社の強みやペルソナ設定などを会議形式で行なっています。それ以外にも、講演先のお客様からの要望で、中小企業のブランド術をポイントとして講義を受けたいということから、実践的なブランド講座「安藤竜二ブランド道場」を立ち上げました。

　「毎日よくそんなハードスケジュールこなせるね」なんて言われますが「やれないのではなく、やらないだけ」。地域を元気にするために、地域を世界に発信するために、今日も明日も頑張ります！

安藤竜二　
株式会社ＤＤＲ　代表取締役

1971年愛知県岡崎市生まれ。高校卒業後、ロックスターを夢見て上京するが挫折、1993年に岡崎の老舗木材会社に入社。作業員からスタートして営業マンに。2003年、社内ベンチャーで家具ブランド「SIKI」を立ち上げ話題に。フリープロデューサーとして東京で店舗プロデュースやブランド開発を手がけた後、故郷に戻り、2006年、ブランディング・カンパニー株式会社DDRを設立。地域ブランド「サムライ日本プロジェクト」主宰。2007年8月、経済産業省より地域中小企業サポーターに委嘱。『地元の逸品を世界に売り出す仕掛け方』（ダイヤモンド社）『小さな会社と小さな自分を大きくする51のスキル』（アスペクト刊）『安藤竜二診療所DVD』（名古屋テレビ映像）『安藤竜二ブランドテキスト』（スモールサン出版）を出版。現在、日々活動の幅を広げ、日本各地の中小企業・老舗企業の商品やプロジェクトをブランディング、世界に発信している。

株式会社DDR
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